「春星」とは『草枕』の第11章の冒頭「山里の朧に乗じてそぞろ歩く。観海寺の石段を登りながら仰数(あおぎかぞう)春星(しゅんせい)一二三と云う句を得た」から名づけられています。
この句を得て、「石磴を登りつくしたる時、朧にひかる春の海が帯のごとくに見えた」という、みかん園から有明海を見晴らすごとき場面です。
明治30年の大晦日。当時五高教授夏目金之助は同僚山川信次郎と小天温泉を訪れ、前田家別邸に逗留。正月の数日を「温泉や水滑らかに去年の垢」とのんびり過ごし、明治39年、この体験を素に「草枕」を発表しています。
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